pre-competitive共同研究 調査企画

pre-competitive共同研究

pre-competitive共同研究

JBICでは、日本国内でのpre-competitive段階(製薬企業が競争で医薬品開発を行う前の基礎研究的な段階)での政府機関・アカデミア・企業による共同研究構築の可能性について検討しており、欧米におけるpre-competitive共同研究の現状を調査しています。

欧米では、製薬企業の研究開発費が増加する一方で認可される新薬は減少しており、医薬品研究開発に新たなアプローチが必要という背景のもと、2000年代半ばから、政府機関、アカデミア、及び多数の企業が参加するコンソーシアムを組織して、pre-competitive共同研究が実施されています。具体的には、バイオマーカーの開発、疾患モデルの構築、ターゲットバリデーション、情報インフラの整備(臨床データ収集など)、遺伝子関連、及びタンパク質構造の大規模データ収集等が行われています。

また、pre-competitive共同研究に関連して、上市あるいは開発が中断された既存薬剤から新規治療用途を見出し、新薬開発期間の短縮化を図るというDrug Repositioningについても調査中です。米国NIHは、National Center for Advancing Translational Sciences(NCATS)を設立し、メガファーマ8社から臨床試験で脱落した薬剤の提供を受け、Drug Repositioningを目指すパイロット・プロジェクト「Discovering New Therapeutic Uses for Existing Molecules」を2012年5月に開始しています。

JBICでは、これらの調査結果を踏まえ、JBIC運営委員会、政策当局、製薬企業、ベンチャー企業と意見交換を行い、日本国内におけるDrug Repositioning実施のための課題等について検討しています。今後は、これらの調査結果をもとに、更に具体的な検討を継続し、新たなプロジェクト化に向けての調査、企画立案を進める予定です。