一般社団法人バイオ産業情報化コンソーシアム 会長 永里 敏秋
(Meiji Seikaファルマ株式会社 代表取締役社長)
この度、JBIC会長に就任いたしました永里敏秋です。就任にあたり一言ご挨拶申し上げます。
近年のバイオ創薬や再生医療等の進展により、ライフサイエンスの領域において、バイオ技術は社会に欠かせない基盤技術として広く認知されるようになり、その活用分野は創薬・医療分野にとどまらず、食品分野、化学分野、農業分野、環境分野など多岐に亘っております。
日本政府は2019年に策定した「バイオ戦略」を改訂し、2024年6月、新たに「バイオエコノミー戦略」として、①バイオものづくり・バイオ由来製品、②持続的一次生産システム、③木材活用大型建築・スマート林業、④バイオ医薬品・再生医療・細胞治療・遺伝子治療関連産業、⑤生活習慣改善ヘルスケア・デジタルヘルスの5市場により構成されるバイオエコノミー市場の拡大を目指し、2030 年に向けた科学技術・イノベーション政策の方向を取りまとめております。この中で創薬・医療関連市場については、技術開発の加速化、製造拠点整備等産業化促進、バイオインフォマティクス人材やバイオ医薬品等の製造人材等の育成、創薬ベンチャーエコシステムの強化やバイオコミュニティの機能の発揮、公的・産業・研究データの連携促進等が掲げられております。
また、内閣官房に設置された「創薬力構想会議(通称)」による中間とりまとめを受けて、2024年7 月には「創薬エコシステムサミット」が開催され、「医薬品産業は我が国の科学技術力を活かせる重要な成長産業であり、我が国の今後の成長を担う基幹産業となるよう、強力に施策を推進する」との明確なコミットメントが示されており、こうした中で、創薬・医療分野への公的支援措置の拡充も引き続き進められております。
JBICは2000年の発足以来、健康・医療分野に関する基盤的技術の研究開発を産学官連携の下に行い、その成果を広く製薬、ITをはじめとする産業界、アカデミア等へ普及する活動を続けてきました。今後も革新的な医薬品・医療機器等の創出及びこの分野でのICTの利活用に向けて、最先端の研究開発を推進するとともに、その成果の産業界への円滑な移行を支援して行きたいと考えております。微力ながら本会の発展のため最善の努力を尽くす所存でございますので、何卒よろしくご支援ご協力のほどお願い申し上げます。
2025年7月
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