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後天的ゲノム修飾のメカニズムを活用した創薬基盤技術開発 (平成22年度-26年度) 研究開発

後天的ゲノム修飾のメカニズムを活用した創薬基盤技術開発
(エピゲノム技術研究組合に参画して研究開発を実施)

NEDO受託事業(平成22年度~26年度)
予算総額 24.2億円
実施体制
<プロジェクトリーダー>
東京大学 先端科学技術研究センター 教授 油谷 浩幸
<研究実施場所>
東京大学 
先端科学技術研究センター、医学部附属病院、大学院医学研究科、分子細胞生物学研究所
<エピゲノム技術研究組合>
株式会社未来創薬研究所、協和発酵キリン株式会社、興和株式会社、シスメックス株式会社、がん研究会、 産業技術総合研究所、バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)

事業概要

本プロジェクトは、後天的ゲノム(エピゲノム)修飾を標的とした、がんの診断及び治療法開発のための基盤技術の開発を行うものである。ヒト腫瘍細胞から取得したエピゲノム情報に基づいて選定したエピゲノム創薬・診断標的候補分子に対してアッセイ法の構築、リード化合物探索を行い、創薬・診断標的としての妥当性を実証することを目指し、また、治療及び診断標的分子を同定する創薬基盤を構築するために、下記1~3項目の研究開発を実施した。

  • 後天的ゲノム修飾解析技術開発
  • 後天的ゲノム修飾と疾患とを関連づける基盤技術開発
  • 探索的実証研究

<エピゲノム修飾の例>

後天的ゲノム(エピゲノム)修飾の例

主な成果

  • 後天的ゲノム修飾解析技術開発

    全ゲノムバイサルファイトシーケンシングを実施すると共に、DNA脱メチル化に関わるヒドロキシメチルシトシンの塩基レベル解析系を確立した。

    質量分析計を用いて、新規ヒストン修飾を同定し、数十種類のヒストン修飾組み合わせ解析法を確立した。

    クロマチン解析の感度を100倍向上させ、特異性の高い抗体開発も推進した。また、数十万に及ぶCpGサイトを半定量的に測定可能な450Kエピジェノタイピングアレイの開発を支援した。

  • 後天的ゲノム修飾と疾患とを関連づける基盤技術開発

    腫瘍検体バンキングと組織検体を用いたエピゲノム解析を実施し、14がん種2,453検体についてDNAメチル化プロファイリングを行った。以上の解析により、24種類の腫瘍特異的DNAメチル化マーカーを同定した(国内特許出願14件)。

    ダイレクトゼノグラフトパネル(膵がん26株、胃がん30株)を樹立し、胃がんゼノグラフト6例について経時的な全エクソン変異解析を、膵がんゼノグラフト4例について経時的遺伝子発現解析を行った。

    エピゲノム創薬標的候補11分子を抽出した。さらに非コード(nc)RNAをカタログ化して数百の腫瘍特異的ncRNAを同定し、ncRNA医薬標的候補19分子を抽出した。

  • 探索的実証研究

    エピゲノム創薬標的候補の11分子について機能解析を実施した。そのうち6分子について阻害剤スクリーニング系を樹立し、3分子についてはin silico手法を用いて活性化合物を得たほか、2分子については従来型のハイスループットスクリーニング、4分子については結合ペプチドスクリーニングにより活性化合物を探索した。

  • 異種発現用のホスト放線菌株を用いた有用天然化合物の異種発現生産のイメージ